世界で一番古いIP
「最古」は定義で答えが変わる。権利が生きている最古、途切れず使われ続けている最古、権利が切れてなお経済圏が回っているもの。三つを並べると、残っているものの正体が入れ替わる。
「世界で一番古いIP」を調べると、答えが一つに定まらない。定義を変えると別のものが最古になる。
定まらないのは調査が甘いからではない。何を「同じもの」と見なすかが、定義ごとに違うからだ。ここを飛ばして順位だけ並べると、比べられないものを比べることになる。
この記事では三つの定義を並べる。順位を決めるためではなく、定義を選ぶ行為そのものを見るためだ。
三つの「最古」
権利が生きている最古
登録や更新の記録が途切れずに残っているもの。制度が定義を代行してくれるので、いちばん数えやすい。
ただし数えているのは作品の年齢ではない。手続きの年齢である。権利者が更新を怠った時点で、この定義からは消える。
途切れず使われ続けている最古
上演・出版・上映が絶えていないもの。権利の有無は問わない。
この定義は数えるのが難しい。「使われた」の粒度を決める必要があるからだ。上演1回と、教科書への収録と、引用は、同じ1件なのか。ここを決めずに数えた数字は比べられない。
権利が切れてなお経済圏が回っているもの
権利は消えたのに、翻案・グッズ・観光が続いているもの。
三つの中でいちばん扱いが難しい。権利者がいないので、記録を残す責任者もいない。誰も数えていないものは、後から数え直せない。
定義ごとに、数えているものが違う
| 定義 | 数えている対象 | 数えられる理由 |
|---|---|---|
| 権利が生きている最古 | 手続きの継続年数 | 登録簿がある |
| 使われ続けている最古 | 利用の継続年数 | 記録が残っていれば |
| 権利が切れて経済圏が回るもの | 経済活動の継続 | 誰も集計していない |
右の列を見ると、扱いやすさの順に並んでいることが分かる。上に行くほど記録が制度に守られていて、下に行くほど誰かが自主的に残さない限り消える。
「最古のIP」の話が権利の話に寄っていくのは、そこに記録があるからだ。残っているものが議論を決めている。
権利は切れても作品は残る。残らないのは、それがどう使われてきたかの記録のほうだ。 [見本:ここに逐語の引用が入る]
何を残すかを、いま決めている
三つの定義のうち、二つ目と三つ目は記録が薄い。薄いのは重要でないからではなく、残す仕組みを誰も持っていないからだ。
- 上演記録は主催者が残す。主催者が解散すると消える
- 二次利用の記録は権利者が残す。権利が切れると誰も残さない
- 経済圏の規模は、調べた人がいなければ数字そのものが存在しない
この三つは、いま起きていることでもある。__年後に「最古」を数え直す人が使えるのは、いま誰かが残したものだけだ。
__(本文は途中まで。ここから先は原稿工程で書く)
この記事の素材
- 【見本】公開の場での発言をここに1行で書く。誰が・いつ・どこで話したか / https://example.com/
- 【見本】論文。著者・年・対象・規模・著者が書いている限界まで / https://example.com/
- 【見本】自分で回した実験(モデル / 日付 / 試行回数 / 与えたコンテキスト量)